明治36年の開院以来、4世代にわたり地域の医療を支えてきた医療法人社団恵育会 鹿浦小児科医院。小児科医療に加えて保育事業や介護事業もスタートさせ、地域の暮らしを守る存在となっている。医療法人社団恵育会で理事を務める内田雄一郎氏に話を聞いた。
――事業内容は?
内田 医療法人社団恵育会は地域密着の医院として現院長の祖父が開院したのが始まりです。鹿浦小児科医院のほか2011年には、生後43日から2歳児までの乳幼児を対象とする定員19人の小規模保育園として「ふたば保育園」を開園しました。
小児科医院に併設されているメリットを生かして、お預かりするお子さまの健康管理や予防接種・健康診断などもお任せいただけるのが当園の魅力です。
保育事業としては17年から病児保育事業も行っています。加えて、15年からは、地域の高齢化に伴い介護事業としてデイサービス「たんぽぽ」もオープンしました。
――多角化した理由は?
内田 長年、小児医療に携わるなかで「当院を支えてきてくださった地域の方々のお役に立ちたい」という想いからです。
現院長の父に加えて、医院は医師である姉が、経営全般は私が担当する体制になったことで、人員としても余裕が生まれたのも多角化の後押しになりました。保育園事業を始めたのは、小児科医院としての経験を生かせると思ったからです。医療と近い保育園だからこそ、より一層の安心感を親御さんにも子どもたちにも届けられると感じています。
――介護事業については?
内田 現在は18人定員の小規模デイサービスの施設として運営しています。ご自宅で生活できる高齢者の方のための介護施設です。始めた当初は手探りの状態でしたが、ようやくここ数年で利用者が安定して集まるようになってきました。保育園児とデイサービスを利用される高齢者の方が交流できる行事などを通じて、世代を超えたつながりを感じられる場としても機能しています。
──HPを開設したきっかけは?
内田 私が当法人の経営を見るようになった10年頃には、すでに簡易なHPがありました。しかしよりしっかりとしたHPをということで、税務顧問の生井沢会計事務所さんに相談し、アイ・モバイルさんを紹介していただきました。当時は、鹿浦小児科医院の院内の様子や診療時間などを伝える場になればと思っていました。デザインに関しては、やさしく親しみやすい雰囲気に、とお願いをして現在の形を提案していただきました。
──医院のHPが最初ですか。
内田 はい、その後、新しい事業をスタートさせるごとに、HPを順次追加していった形です。とくに、デイサービス「たんぽぽ」のHPは利用者さんの年齢層も高めですので、独立したHPは必須だと考えました。
──HPの運用法は?
内田 3事業で少しずつ変えています。小児科医院のHPでは、当初は病気や疾患の知識をSNS感覚で発信していこうと考えていました。もちろんそのような情報を掲載することも必要ですが、患者さまが具体的に必要としている情報を発信し、より受診しやすい環境を整えることも重要です。たとえば、インフルエンザワクチンの予約などのお電話での問い合わせが多い情報は「お知らせ」ページにタイムリーに掲載しています。
そうすることで、患者さまだけではなく、電話予約に対応するスタッフの手間も減ります。子育て世代はスマホ世代でもあるので、こうした体制は必須だと感じています。ちなみに、日々の更新業務は、スタッフが行なっています。
アイ・モバイルさんのHPシステムは、文章の更新が簡単にでき、また、わからないことがあればメールや電話ですぐに相談できるため、安心して運用できます。
──デイサービスのHPは?
内田 デイサービスの利用者さんは高齢者なので、HPもあまり閲覧されないのではと考えていました。しかし、BESTホームページのアクセス解析機能で調べてみると、思いのほか多くの方に閲覧されていることがわかりとても驚きました。おそらく、ご家族の方やケアマネジャーさんなどが見にきてくださっているのでしょう。
これは新鮮な気づきでしたね。
──今後のHP活用ビジョンは?
内田 3つのHPすべてに共通していることなのですが、利用者の方に対してよりタイムリーで充実した情報を伝える場にしていきたいと思っています。デイサービスのHPで施設の日常の様子を伝えてみたり、小児科医院のHPなら、医療に関する豆知識や、子どもの健康に関するトピックスを発信してもいいかもしれません。保育園に関しては、保護者の方だけが閲覧できる「保育園だより」というパスワード付きのページも用意していますが、まだまだ活用できていないのが現状です。お子さまの日々の様子を写真などに収めて、お伝えする場所として大いに活用していきたいですね。
もう一つは採用ページの充実です。すでにデイサービスのHP経由での求人応募の実績が何件かありました。これまで求人サイトや求人誌、ハローワークなどしか窓口になり得ないと思っていましたが、自社HPからも採用できるというのは発見でした。求職者は必ず「どんな職場だろう?」とHPを見るはずです。医療法人社団恵育会の日々の様子や考え方をHPから発信し、採用活動にもつなげていきたいですね。